CROWNが大切にしていること
― 選手自身が、自分の可能性を切り拓くために ―
保護者の皆さまへ
CROWNでは、一般的な中学野球クラブとは少し違った考え方で、選手たちと向き合っています。
練習は土日祝を中心に、1日4時間。
平日は毎週水曜日、17時から21時頃まで練習場を開放し、自主練習の時間としています。
決して練習時間が多いクラブではありません。
指導者がすべてを決めるわけでもありません。
試合ではサインを出さず、選手自身に判断を求めます。
バットも木製・竹を基本としています。
一見すると、勝つことだけを考えれば「遠回り」に見えるかもしれません。
それでも、私たちはこの環境に意味があると考えています。

中学生の時間を、野球だけで埋めたくない
私たちは、中学生に野球だけをしてほしいとは考えていません。
野球もする。
勉強もする。
遊ぶ。
友達と過ごす。
家族と過ごす。
休む。
そのすべてを大切にしてほしいと思っています。
中学生という年代は、野球選手になるためだけの時間ではありません。
一人の人間として、多くの経験をするための時間でもあります。
だから私たちは、選手の生活を野球だけで埋め尽くすようなクラブにはしたくありません。
もちろん、勝ちたい。
強いチームを作りたい。
選手にも勝つ喜びを経験してほしい。
その気持ちは本気です。
ただし、勝つために中学生の身体や生活を犠牲にすることはしない。
それがCROWNの基本的な考え方です。

「練習時間が少ない」のではなく、「余白を残している」
CROWNが大切にしているものの一つが、選手自身の時間です。
チーム練習では、チームとして必要な練習を行います。
守備、走塁、チームプレー、状況判断など、個人だけでは完結しないものがあります。
しかし、
「チームに必要な練習」と
「自分が上手くなるために必要な練習」は、
必ずしも同じではありません。
だからこそ、自主練習があります。
自主練習では、自分のために時間を使っていい。
打撃をしてもいい。
投球をしてもいい。
守備をしてもいい。
身体を鍛えてもいい。
考える時間にしてもいい。
場合によっては、何もしなくてもいい。
私たちは、この「自分で使い方を決められる時間」を非常に大切にしています。
自主練習は、追加で与えられた練習時間ではありません。
選手が自分自身の成長のために使える、
最高に贅沢な時間
だと考えています。

自分から「上手くなりたい」と思ってほしい
指導者から、
「これをやりなさい」
「これを100回やりなさい」
と言われて練習することは簡単です。
しかし、それだけでは、指導者がいなくなった瞬間に成長が止まってしまうかもしれません。
CROWNが育てたいのは、
自分で課題を見つけ、自分で考え、自分で試し、自分で成長していける選手
です。
だから自主練習では、選手自身の「やりたい」を大切にします。
「もっと打ちたい」
「もっと速い球を投げたい」
「この動きを試したい」
「この技術を身につけたい」
そんな欲求を、遠慮せずに追いかけてほしい。
私たちは、選手が自分自身の成長に夢中になることを歓迎します。

選手一人ひとりに、違う武器を持ってほしい
全員が同じ選手になる必要はありません。
足が速い選手。
打球を飛ばせる選手。
守備が上手い選手。
球が速い選手。
コントロールが良い選手。
状況判断に優れた選手。
誰よりも野球を考えられる選手。
人それぞれ、違った武器があります。
私たちは、その違いをなくすのではなく、
それぞれの選手が自分だけの武器を見つけ、それを磨くことを大切にします。
人と違っていい。
遠回りしてもいい。
自分に合う方法を探していい。
その中で、自分だけの強さを見つけてほしい。

自主性には、責任も伴う
もちろん、「自分で決めていい」ということは、「何をしてもいい」ということではありません。
チーム練習では、チームとして決めたことに従います。
試合では、自分の役割を果たします。
自分の武器を、チームの勝利のために使います。
つまり、
自主練習では、自分のために時間を使う。
チームでは、チームのために自分を使う。
この切り替えを大切にしています。
自分を持ちながら、チームの一員でもある。
その両方を経験してほしいと考えています。

「教えてもらう野球」から「考える野球」へ
CROWNでは、指導者がすべての答えを与えることを目指していません。
私たちが教えるのは、野球の原理原則です。
スイング軌道。
投球軌道。
身体の使い方。
フィジカル。
走塁の条件。
状況判断。
そして、なぜそうなるのか。
その上で、実際にどうするかは選手自身が考える。
たとえば走塁なら、
「この状況なら行ける」
「この条件なら行くべきではない」
という根拠を理解した上で、自分で判断する。
指導者のサインを待つのではなく、
自分で見て、自分で考えて、自分で決断する。
それが、野球を自分のものにするということだと考えています。

結果を、自分自身の指導者にする
私たちは、データだけでも、感覚だけでも十分ではないと考えています。
大切なのは、
データ・動作・感覚
がつながっていること。
「こう動いたら、こういう結果になった」
「この感覚で振ったら、こういう打球になった」
「この球を投げたら、こういう結果になった」
その経験を積み重ねる。
そして、
考える。
試す。
結果を見る。
修正する。
また試す。
この繰り返しによって、自分自身の成長方法を身につけていきます。

私たちが目指す「強い選手」
私たちが考える強い選手は、単に能力の高い選手ではありません。
自分の武器を理解している。
自分の弱さを理解している。
失敗を恐れない。
自分で課題を見つけられる。
自分で成長する方法を探せる。
そして、自分の力を試合で発揮できる。
そんな選手です。
私たちは、この「自分で伸び続けられる力」を、中学生年代で身につけることに大きな価値があると考えています。

自分を磨くと、周りが見えてくる
そして、私たちが大切にしていることがもう一つあります。
それは、自分以外の人間が見える選手になることです。
ただし、最初から
「仲間を大切にしなさい」
「優しくしなさい」
と教え込むことが一番だとは考えていません。
まず、自分自身を知ってほしい。
努力しても上手くいかない経験をしてほしい。
何度やってもできない経験をしてほしい。
そこから少しずつできるようになる経験をしてほしい。
自分の弱さを知る。
だからこそ、他人の弱さにも気づける。
自分の武器を知る。
だからこそ、他人の武器も認められる。
自分を深く知ることが、
他者を見る力につながる
と私たちは考えています。
それは仲間への思いやりにもなります。
そして同時に、野球では相手を読む力にもなります。

感謝を「教える」のではなく、感謝に「気づける」人間に
野球は、一人ではできません。
ボールを用意する人。
グラウンドを整える人。
練習場所を用意する人。
送迎してくれる家族。
一緒に練習する仲間。
対戦相手。
審判。
大会を運営する人。
たくさんの人の力があって、一人の選手が野球をすることができます。
だから私たちは、
「感謝しなさい」
と形だけ教えるのではなく、
自分が多くの人に支えられていることに気づける人間
になってほしいと考えています。
「ありがとう」と言うことだけが目的ではありません。
まず、周りを見る。
気づく。
そして自然に感謝できる。
そんな人間になってほしいと思っています。

私たち自身も、学び続ける指導者でありたい
もちろん、私たち指導者も完成された存在ではありません。
これまでの指導の中で、伝え方を間違えたこともあります。
選手のためを思う気持ちが強すぎるあまり、選手に何かを求めすぎてしまったこともあります。
その経験があったからこそ、今は、
「正しいことを伝えること」と「正しい方法で伝えること」は別だ
と考えています。
選手に自分で考えることを求めるのであれば、指導者自身も自分の指導を疑い、考え、修正し続けなければならない。
私たちも、選手と一緒に成長していきたいと思っています。

CROWNが目指す「強豪」
私たちは、強いチームになりたいと思っています。
勝ちたい。
できることなら、県大会でも、全国でも勝ちたい。
ただし、強豪になる方法は一つではないと考えています。
大量の練習時間。
勝つためだけの戦術。
選手を管理すること。
それだけが強いチームを作る方法ではありません。
一人ひとりが自分の武器を持ち、
自分で考え、
自分で成長し、
その武器をチームのために使う。
そんな選手が集まったチームを作る。
それが私たちの考える「強豪」です。
そして卒団する頃には、
「この選手が欲しい」
と思ってもらえるような選手を、一人でも多く送り出したい。
高校やその先のカテゴリーに行っても、
「自分はどうすればもっと上手くなれるだろう?」
と考え続けられる選手を育てたい。
私たちが最終的に目指しているのは、
指導者がいなくても、自分で自分を磨き続けられる選手
です。

保護者の皆さまへ
CROWNは、すべての選手を同じ方法で育てるクラブではありません。
すぐに自主練習に夢中になる選手もいれば、時間がかかる選手もいます。
自分の武器を早く見つける選手もいれば、卒団間際になって初めて見つかる選手もいます。
それでいいと思っています。
私たちは、選手を急かして答えを与えるのではなく、
自分自身で答えを見つける時間を大切にします。
そのため、一般的なクラブと比べると「緩い」と感じることもあるかもしれません。
しかし、その余白には明確な意図があります。
選手自身が考えるための余白。
自分を磨くための余白。
野球以外の人生を経験するための余白。
そして、自分自身の人生を自分で選択するための余白です。
私たちは、その余白を大切にしながら、
誰よりも自分自身を磨く選手
を育てたい。
そして、その尖った一人ひとりが集まることで、
強いチームを作りたい。
それが、CROWNの目指す野球です。


